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【ヒトに似ているサル】霊長類「ボノボ」の「人間らしさ」について【チンパンジーとも違う!】
早稲田大学文化構想学部文芸・ジャーナリズム論系卒業。雑誌の自主制作やクリエイターチームの結成などを行い、Web制作会社にディレクターとして入社。その後、フリーランスのディレクター・イラストレーターを経て、オウンドメディアのライター・コンテンツディレクターとなる。現在はマルチクリエイターとして活動中。
「ボノボ」という霊長類のサルについてご存じだろうか?よく「人間」に似ているのは「チンパンジー」だと比較されることがあるが、「ボノボ」は見方によっては「チンパンジー」よりも「人間的」と言える。この記事では、そんな「ボノボ」について簡単に紹介していく。
目次
そもそも「ボノボ」とは?
「ボノボ」という霊長類のサルが存在する。このボノボの生態がなかなかに面白く、人間の進化の歴史や習性を考える上で非常に興味深い対象になるのだ。
そんなボノボとは何なのか、以下でみていこう。
「ボノボ」は「チンパンジー」の仲間
「ボノボ」は「霊長目ヒト科チンパンジー属」に分類される、チンパンジーの一種である。コンゴ民主共和国に生息し、別名を「ピグミーチンパンジー」という。
チンパンジーと同じく、人間とDNAの差が1.5%程度しかなく、最も「ヒト」に近い霊長類と言えるだろう。チンパンジーの仲間だが、全体的にチンパンジーよりもひと回りくらい小さく、脳の容量もそれに比例して小さい。1928年に初めて発見された。
「ボノボ」の「人間らしさ」について
それでは、実際にボノボにはどのような習性があり「人間らしい」と言えるのだろうか。特徴的な生態をいくつかピックアップして紹介する。
二足歩行が得意
まず、最も「人間らしい」と見た目でわかるのが、二足歩行の姿だ。背筋をぴんと伸ばし、スタスタと人間のように歩く姿は何とも興味深い。もちろん、普段は他のチンパンジーと同様に四足歩行(ナックルウォーク)をするのだが、ボノボはチンパンジーよりも長距離を二足歩行することで知られている。
その距離は数十メートルにもおよび、子供を抱き抱えながら歩く姿も目撃されている。
「ボノボ」は平和主義
また、ボノボがチンパンジーと異なるのは、同種間での殺し合いや共食いを行わないところにもある。メスをめぐって、オス同士で多少の緊張状態になることはあるが、チンパンジーのように激しく争い合うということはなく、比較的平和に終息する。
ここは「人間らしい」と言えるかどうか微妙なのが悲しいところだ。
「ボノボ」は快楽のために性行為をする!?
他にも特徴的なのが、「ヒト」を除く生物の中で唯一、性的な快楽のためだけに性行為を行うことだ。人間だけが行うと思われていた正常位を行うことも確認されており、オスはメスに性行為を迫るために食料を持ってくるのだそう。加えて、ディープキスもするのだとか。
性事情に関しては、完全に「ヒト」である。
「ボノボ」は言語を理解する
加えて、驚きなのが、ボノボは言語を理解することである。有名なのは「カンジ」と名付けられ研究対象とされてきたボノボで、彼は簡単な英語を理解し、特殊なキーボードを使って人間と会話したことが記録されている。
また、言語とは少し異なるが、TVゲームの「パックマン」のルールを理解して遊んでいる様子もみられる。
「ボノボ」は火を使う
研究対象だった「カンジ」らは、教育することで、火を使うことを覚え、自分でマシュマロを焼いて食べるということに成功している。必ずしも自発的にできたわけではなく、教えられたり、声による指示にしたがったりすることが必要となるが、人間以外でそれを成し遂げる生物は他にいないので、まさしく「天才」である。
まとめ
いかがだっただろうか。このように、人間に非常に近しい「ボノボ」という霊長類がいることは、人間の進化を考える上で非常に貴重な研究対象だろう。いかに「ヒト」が「サル」に近いか、DNAの観点から見ても「兄弟」であるかについてわかってもらえたと思う。
ボノボについての動画はYouTube上にたくさんあるので、気になった方は検索してみてほしい。